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2025年10月20日16時頃、インターネット上で異変が起きました。「Canvaが開けない」「Zoomに入れない」「Fortniteがプレイできない」──SNSで同時多発的に障害報告が相次いだのです。
仕事でデザインツールを使っている方、オンライン会議が予定されていた方、納期直前で作業していた方にとっては、まさに悪夢のような時間だったのではないでしょうか。
原因は、Amazon Web Services（AWS）の米国東部リージョンで発生した大規模障害。この一つの障害が、世界中の数百万人のデジタルライフを一時的に停止させました。
この記事で分かること：
- AWS障害の発生時刻と影響範囲
- Canva、Zoom、PerplexityなどAIサービスへの具体的影響
- なぜ一つの障害でこれほど多くのサービスが止まったのか
- 今後同様の障害に備える実践的な方法
何が起きたのか？AWS障害の全貌
障害の最初の兆候が確認されたのは、日本時間2025年10月20日16時11分頃でした。
AWS（Amazon Web Services）の米国東部リージョン（US-EAST-1）で、複数のサービスにエラー率の増加とレイテンシ（遅延）の拡大が発生。AWS公式のサービスヘルスダッシュボードで「運用上の問題」が報告されました。
影響を受けたAWSサービス：
- Amazon DynamoDB（データベース）：完全停止
- Amazon CloudWatch（監視ツール）：エラー率増加
- その他20サービス → 最終的に35サービスに拡大
このUS-EAST-1リージョンは、バージニア州北部に位置するAWSにとって最も古く、最大規模のデータセンター群。世界のインターネットトラフィックの重要なハブとして機能しているため、ここでの問題は瞬く間に世界中に連鎖的な影響を及ぼしました。
AWS側は積極的に対応し、数時間以内に主要サービスから順次復旧していきましたが、完全な正常化には時間を要しました。
影響を受けたサービス一覧【カテゴリ別】
今回の障害で影響を受けたサービスは、実に多岐にわたります。
AIツール・検索：
- Perplexity（AIアシスタント）：完全ダウン、CEO自らXで謝罪
- ChatGPT：一部機能に影響
デザイン・クリエイティブ：
- Canva：エラー率急増、画像編集機能が使用不可に
- Canva公式「クラウドプロバイダーの重大な問題」と明言
ビジネスツール：
- Zoom：Web会議ツールが立ち上がらない
- Slack：ビジネスチャットが停止
- Asana：プロジェクト管理ツールがダウン
ゲーム：
- Fortnite：ログイン機能が停止（Epic Games公式発表）
- Roblox、Palworld、Clash of Clans
- ブロスタ：Supercell IDでログイン不可
日常系サービス：
- Amazon Alexa：スマートアシスタントが応答不能
- マクドナルドアプリ：注文機能に影響
- Venmo、Robinhood：金融アプリも停止
- クックパッド：レシピが見られない状態に
その他：
- 任天堂：ネットワークサービスに障害
- Skeb：メール配信が停止（公式発表）
- Prime Video、Hulu：動画配信サービスもダウン
SNSでは「社運がCanvaに握られてる」「納期が迫ってるのに作業できない」という悲痛な声が相次ぎました。
なぜCanvaやZoomが止まったのか？技術的背景を解説
「なぜAmazonのサービスが止まると、Canvaまで使えなくなるの？」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
答えは、これらのサービスがAWSのインフラに依存しているからです。
現代の多くのWebサービスは、自社でサーバーを持たず、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureといったクラウドサービスを利用しています。Canva公式も今回の障害について「クラウドプロバイダー（AWS）に重大な問題が発生している」と明言しました。
US-EAST-1の特殊性：
今回問題が発生したUS-EAST-1リージョンは、実は過去にも繰り返し大規模障害を起こしています（2020年、2021年、2023年）。
なぜこの特定のリージョンが繰り返しトラブルの中心となるのか？
- AWSが最初に設立した最も古いリージョン
- 長年にわたるインフラの増改築が繰り返されてきた
- 多くの重要な基幹サービスや認証システムが集中
- 単一障害点（Single Point of Failure）としてのリスク
通常、AWSは「アベイラビリティゾーン（AZ）」と呼ばれる、物理的に隔離された複数のデータセンター群で冗長化していますが、リージョン全体にまたがる中核的な機能に障害が発生すると、この仕組みが十分に機能しないのです。
実際の被害状況：SNSに溢れた悲鳴
実際にどんな影響が出たのか、SNS上の声を見てみましょう。
仕事・ビジネス現場の混乱：
- 「社運がCanvaに握られてる」（福井新聞が報道）
- 「クライアントとのZoom会議が始められない」
- 「Slackが使えず業務連絡ができない」
個人利用者の困惑：
- 「Alexaが反応しなくてアラームが止まらない」
- 「夜ご飯のレシピをクックパッドで見ようとしたら見られない」
- 「Fortniteでフレンドと約束してたのにログインできない」
公式からの報告：
Skeb公式アカウント（@skeb_jp）は「本日16:10頃より、Skebのメールが配信されない不具合が発生しております。Skebがメール配信に利用しているクラウドサービスに障害が発生していることが原因です」とツイート。
ブロスタ公式も「Supercell IDが利用している外部サービスの障害が原因」と認めました。
Yahoo!リアルタイム検索では、わずか数時間で数千件の障害報告が集中。多くの人がいかにクラウドサービスに依存しているかが浮き彫りになりました。
AWS障害から学ぶ教訓：今日からできる対策
今回の障害で改めて浮き彫りになったのが、クラウドサービスへの過度な依存のリスクです。クラウドが止まっても仕事を継続できるよう、物理バックアップの準備は必須と言えます。
クラウドサービスは「どこに依存しているか」で明暗が分かれる
実は、筆者が運用しているSNS自動化システムは今回の障害でまったく影響を受けませんでした。
なぜなら、Google Apps Script（GAS）で自動化していたからです。
この違いは、マルチクラウド戦略の重要性を如実に示しています。一つのクラウドサービスに依存せず、Google、AWS、Microsoftなど複数のインフラを使い分けることで、リスクを分散できます。
私が実践しているGASを使ったSNS自動化の具体的なノウハウは、有料Noteで詳しく解説しています。
📝 【初有料記事】GASで作るSNS自動化｜AWS障害でも止まらない仕組み
正直、初めての有料記事公開でかなり緊張しています...。でも「今回の障害で困った人の役に立てば」と思い、普段自分が使っている自動化の全手順を公開することにしました。
内容： - X（Twitter）の予約投稿を完全自動化する方法 - スプレッドシート連携で一括管理（画像付き手順） - AWS障害のような外部リスクに強い設計思想 - コピペですぐ使えるコード全文付き - 初心者でも30分あれば設定完了
価格：300円（コンビニコーヒー1杯分）
この記事を読めば、今日から「クラウド障害で作業が止まる」ストレスから解放されます。実際、私は今回のAWS障害でも一切影響を受けませんでした。同じ300円でも、障害で1時間作業が止まる損失と比べたら...どちらがコスパ良いでしょうか？
個人でできるその他の対策：
重要な納期前は複数ツールで作業する
オフライン作業環境を確保する
- ローカルPCにもデータ保存
- オフラインで使えるソフトを準備
サービス障害情報の確認方法を知っておく
- Downdetector（障害検知サイト）をブックマーク
- 各サービスの公式ステータスページをチェック
バックアップのバックアップを持つ
- 複数のクラウドストレージを併用
- 重要データは物理的なHDDにも保存
今回のようなクラウド障害に備えて、物理バックアップは必須です。筆者が実際に使っているのがこちら：
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読み込み速度1050MB/秒、耐衝撃・防滴設計で、万が一の物理バックアップに最適です
契約しているサービスの依存先を確認
まとめ：クラウドは「止まる前提」で備えを
今回のAWS大規模障害は、数時間で復旧したものの、世界中の企業や個人に大きな影響を与えました。
重要なポイント：
- クラウドサービスは便利だが、100%止まらないわけではない
- 一つのサービス（AWS）への依存が、連鎖的な障害を生む
- マルチクラウド戦略とバックアップ体制が不可欠
- 個人でもリスク分散の考え方を持つべき
便利なクラウドサービスを賢く使いながらも、「いつか止まる」という前提でバックアップ体制を整えておくことが、これからのデジタル時代を生き抜く知恵と言えるでしょう。
更新履歴：
- 2025年10月20日：記事公開
